見えざる社風こそチェック。新しい職場への溶け込み方
滝田 元子
2017/09/12 (火) - 08:00

「あなたの普通は相手の普通じゃない」
仕事はお任せ、成果が出ればOKという会社で働いていた人が、規則で縛られ窮屈な社風の会社に転職したのでは、実力発揮も困難なのではないでしょうか。社風など職場との相性は転職時に見落としているケースがあり、致命的な結果となることがあるので注意が必要です。

転職する時に前職のスキルはどの程度生かせるのか

転職先が同業同職種である程度知っている企業なら即戦力として活躍できることでしょう。
条件ぴったりの転職先が見つからない場合、前職での人脈や経験・スキルはどの程度生かせるのかは心配になりますね。
同業界・同職種の転職でも会社によって社風が違い、独自のルールがあります。基本はまっさらな気持ちでゼロから学ぶ姿勢が必要です。
まして同業で業界事情は知っているけど仕事が変われば未経験からのスタートとなります。
職種が同じでも業種が変われば新人扱いです。一から学ぼうという気持ちで取り組むと、意外と共通点が見つかり仕事習得はどんどんスピードアップしていきます。
今回は持ち運べるスキル(ポータブルスキル)と注意事項についてお話したいと思います。

特に大手企業での社会人経験は重宝される

例えば時間や約束を守ること、服装やマナー、電話やメールのルール。
状況に応じた挨拶やビジネスでの会話力、報連相がきちんとできることなども社会人になって身に付く仕事の基礎力です。
大手企業ならビジネス基本的なビジネスルールは入社2~3年でたたき込まれます。
「第二新卒」と定義される20代半ばからの転職者は企業からしてみると基礎教育費がかからない魅力的な人材といえるでしょう。

職種ごとの技能や技術はどこまで通用するのか

30代以降の転職者の場合、前職でのスキルでそのまま生かせるものは少ないと思った方がいいでしょう。
仕事の進め方も会議の進行方法にもその会社独自のルールが存在します。
技能や技術はベーシックな部分で使えることがありますが、次の職場へ持って行って役立つのは「コンピテンシースキル」と言われる基礎能力に近いところが大部分です。
転職者の中で「優秀だなあ」と感じた人の保持していたスキルは何だろうと考えてみました。
・人を巻き込む力が圧倒的に高かった
・データ分析に新しい手法を持ち込み、より深いカスタマー分析が可能になった
・営業の行動計画の立て方や準備の仕方がおおいに参考になった
・外部の協力会社・パートナーを紹介してくれた
・資料整理や共有の仕方に優れていた
・顧客資産の活用方法や顧客分析の新しい考え方を持ち込んでくれた
・新規事業に必要な経験と人脈を持っていた
・非効率的だった仕事をシステム化し効率アップを実現した
・問題解決思考に優れ、現場リーダーとして活躍

こうしてみると、過去のキャリアで身につけたスキルや経験の総合力がその人を媒介として次の会社に移植されているのが成功パターンとなっているのです。

まずは信頼構築が最大のポイント

求職者にはゼロから始めるつもりで転職してくださいといいながらも、採用する企業側は上記のような自社にはない経験やスキルを転職者に求めているということです。
また人的インパクトも求められます。その人が入社してくれたので◯◯が可能になった。
〇◯のスキルを直接教えてもらった。という声がこれです。
同じ職場に長くいると、何が普通なのか、何が優れていて何が遅れているのかがわかりにくくなります。画期的な変化は人が連れてくることが多いからです。
転職者にはそんな新しい風の役割もあります。
刺激的な存在となって組織に良い影響を与えられれば、感謝され認められ、はやく溶け込むこともできます。

ただ注意点もあります
「前の会社ではこうしていた」「こんな風に変えた方がいい」「こんな無駄があるから生産性が低い」などの発言は信頼関係構築ができてから発信するべきです。
優秀な人であるほど新しい職場の問題点はすぐに目につくでしょう。
しかし、いままでよしと思ってやってきたことを否定されると、やっている人の人格まで否定されたと感じてしまいがち。提案を拒否される結果になりやすいのが現実です。
焦って職場で浮かないように。
上司に伝え課題を共有し、どう進めるかは相談してください。
まずは何を要望されているのか、自分の果たす役割は何かなどを理解することです。
新しい組織の一員になること、受け入れてもらう所からスタートです。

あなたの普通は相手の普通じゃない!社風の差

・自席で好きな時間に飲食OK
・アイデアにつまると勝手に近くのカフェで気分転換したり、仕事の続きをしたり
・外出先から直帰なども自分の判断でOK


こんな自由な社風の会社から、堅い企業に転職すると社風の差に驚くことでしょう。

・オフィスはシーンと静かで飲食は決まった昼休みのみ
・無駄なおしゃべりは一切ナシ
・離席の際は上司や隣席の人に伝える


仕事で実力を発揮する以前に、窮屈すぎて早々に辞めたくなってしまうかもしれませんね。社風など職場との相性は転職時に見逃してしまいがち。致命的な結果になることがあるので要注意です。
対策は転職前にしっかり社内見学させてもらうこと。年齢の近い社員にあわせてもらうことも有効です。
社風はいいか悪いかではありません。自分のスタイルに合うかどうか、合わせることが可能かどうかです。
「あなたの普通は相手の普通じゃない」ということを理解して企業風土や企業文化になじんでいってください。焦りは禁物です。無事に組織の一員となれたなら、本来の力を発揮し、すてきな風を吹かせてください。

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