リモートワークという働き方 合う人、合わない人の特徴とは

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リモートワークという働き方 合う人、合わない人の特徴とは
2017/11/25 (土) - 08:00
浅賀 桃子

近年働き方の多様化が叫ばれるようになり、働き方の一つとして「リモートワーク」という言葉を見聞きする機会が増えています。場所や時間の制約にとらわれないフレキシブルな働き方を実践するために、職種によってはリモートワークを導入する企業が増えてきています。今回は、このリモートワークという働き方について取り上げます。

リモートワークとは

リモートワークとは、在籍する会社のオフィスではなく、自宅やコワーキングスペース、カフェなど会社から離れて(=リモート)インターネットやメール、電話等を活用しながら勤務する形態のことを指します。在宅ワークやテレワークという言葉が使われることがありますが、ほぼ同義です(本稿でもこれらの用語を特に区別せずに使用します)。

リモートワークの先進国アメリカでは、1970年代から「telecommuting」(パソコンなどを活用した在宅勤務)が始まり、2014年には300万人以上がリモートワークをしているといわれています。世界的にみても、リモートワークをしている労働者の割合は年々増加傾向にあります。

以下、代表的なリモートワークのメリットを企業側、労働者側の両方の視点からご紹介します。

<企業側>
・柔軟・多様な働き方を認めることにより、優秀な人材を確保できる可能性が高まる
・災害時等にも事業を継続しやすくなる
・労働者への通勤手当等、費用を削減できる
・ワークライフバランス推進企業として、CSR(企業の社会的責任)の推進をアピールしやすくなる

<労働者側>
・通勤時間が節約できる
・出産・育児や介護等と仕事との両立が図りやすい
・障害等で通勤困難であっても就業機会が得られる

誰にでも「合う」働き方ではない

メリットをみるといいことばかりのように感じられるかもしれませんが、セキュリティ対策などの課題もあります。さらに、人によっては上記以外でもメリットになりえる反面、デメリットと感じられることもありえます。
筆者もカウンセリングのなかで、リモートワークを巡るご相談を伺うことがあります。以下に実際の事例をご紹介しましょう。

Sさんは6ヶ月前に転職をした32歳のエンジニアです。前職は従業員数100名の中小企業で、オフィスまで片道1時間かけて通勤していました。業務指示は隣の机に座っている上司から直接行われ、営業部門との打ち合わせが必要なときは隣の島まで歩いていき、会議スペースでホワイトボードを使いながら話をしていました。

転職先の企業は従業員数10名のベンチャーです。オフィスは東京にありますが、上司は週に1度くらいしかオフィスに顔を出さず、自宅やカフェで業務を行っています。相談はチャットベースで、対面での話し合いが必要な場合はテレビ会議システムを立ち上げて行う形式になりました。上司は小さな子どもがいるため、話をしたいなと思っても子どもの送迎や食事等の時間と重なるとできないこともあります。

Sさんは次のように話してくれました。「上司が常に自分と同じ空間で働くのが当たり前だと思っていましたので、リモートで仕事をすることの難しさを感じています。チャットベースでいつでも相談は可能なのでしょうが、文字だけでは細かなニュアンスが伝わりづらいと感じることもあります。やはりどうしても対面でのコミュニケーションの絶対数が減るので、上司に自分の仕事ぶりがどのように映っているかなどよくわからないなぁとモヤモヤすることがあります」

これまでリモートワークで働く人がいなかった職場から、自分自身がリモートワークをする、あるいは先述のSさんのように、周囲のスタッフがリモートワークを取り入れるといったケースでは、変化に適応するまでに時間がかかったり、働きづらさを感じたりすることもあります。すなわちリモートワークは、「誰にでも合う働き方」ではないということです。

リモートワークに合う人、合わない人

それでは、リモートワークに合う人、合わない人はどのような人なのでしょうか。絶対的な解はありませんが、判断にあたっていくつか代表的なところをご紹介します。

・自分で仕事の進め方をコントロールできるかどうか
自宅等で作業を行う場合、さまざまな誘惑があります。テレビ、本、ソファーなど数ある誘惑に負けず、自分自身を律せるかどうかがひとつの判断基準になるでしょう。「自分の裁量で仕事を進められるので仕事の効率化が図れる」と感じる方と「全然集中できないから逆に仕事のパフォーマンスが落ちる」と感じる方に分かれると思いますが、前者であればリモートワークに合うタイプである可能性が高いです。

・積極的にコミュニケーションをとれるかどうか
リモートワークによってコミュニケーションがとりづらいと感じる方がいることは、先述のSさんの事例からも明らかです。どうしてもFace to Faceでのコミュニケーションがとりづらい分、チャットベースのやり取りが多くなるリモートワーク。文字ベースでも相手への思いやりをもって発言できるかどうかや、相手の意図を正確に把握し、適切に短時間で表現できるかといったところがカギになります。さらに、メンバーの進捗が分かりづらくなりがちですので、進捗の共有や問題点の相談などのタイミングが悪いと、チームとしてうまく進まなくなることがありえます。リモートワークだからこそ、雑談を含めた積極的なコミュニケーションが求められます。

いかがでしたか。リモートワークが合っているかどうかは人それぞれで、どちらが良い・悪いではありません。自身の望む働き方がリモートワークで実現可能なのかどうか、上記も参考に考えてみるとよいでしょう。

浅賀桃子氏プロフィール写真

浅賀 桃子

ベリテワークス株式会社 代表取締役・代表カウンセラー

ITコンサルティング会社人事などを経てカウンセラーとして独立。2014年ベリテワークス株式会社として法人化。ビジネスパーソンのメンタル不調者やキャリアチェンジに悩む方のケアを中心に、カウンセリング実績5,000名超。予防カウンセリングに強みを持ち、ストレス・メンタルヘルス・キャリアデザインなどのセミナー多数開催。キャリアコンサルタント、メンタル法務主任者、メンタルヘルス・マネジメント検定I種、ストレスマネジメントファシリテーターなどの資格を持つ。スヌーピー研究をライフワークとし、2015年NHKおはよう日本で紹介される。

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