周りを気にせず、自分で選択できる風土づくり ‐Fledge運営 株式会社えふなな代表  新田勢剛氏

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周りを気にせず、自分で選択できる風土づくり ‐Fledge運営 株式会社えふなな代表  新田勢剛氏
2018/02/16 (金) - 07:00
SELF TURN ONLINE 編集部

2018年2月23日から3月11日に東京ミッドタウン・デザインハブで開催される「地域×デザイン2018」において、SELF TURN実践者または地方で多様な働き方を推し進める企業を、「SELF TURN× Work Design Award」として表彰することが決まりました。働き方メディア「Fledge」を運営している株式会社えふなな代表、新田勢剛さんが同アワード「リモートワーク」部門の審査員に選出されたことを機にお話を伺いました。

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新田 勢剛(にった せいごう)さん

1982年生まれ。求人広告、Web広告の営業販売を経て2010年2月に株式会社えふななを 設立。「シゴトを楽しむ、人生を楽しむ」という理念を広めたいとの想いから、2016年7月に働き方メディア「Fledge」をオープン。3児の父としても奮闘中。

えふなな起業まで

――起業されるまでの歴史や、現在について教えてください

サラリーマンを2社、計4年間経験しました。一貫して営業に携わっていました。それからえふななをつくり、2018年1月で9期目に入ります。
学生時代からずっと、20代で会社をつくると決めていました。父親が会社経営者でしたのでその影響だと思いますが、なんとなくサラリーマンを一生続けていくことがイメージできませんでした。起業するなら早いほうがいいだろうと思っていたので、20代というところで目標を立てていました。

サラリーマンをやるなかで、入社当初はみんな「将来起業したい」「お店をもちたい」など、活きがいい感じなのですが、だんだん潰れていってしまう。終電超えてまでとか、会社に泊まって仕事するといったことが常態化していました。特に営業担当は結果が出ないとどんどん辞めていき、結果を出している人だけ残る感じでした。周りを見ていると目的意識が失われてしまうようで、これでいいのかと疑問に思いました。仮にそれで売上が上がって、会社としてはハッピーだったとしても、社員は多分満足しないだろうなと。そこで、自分が会社のつくり手になったときには、みんなが幸せに生きられる場所をつくりたいと思うようになりました。

――働き方メディア「Fledge」を立ち上げられましたね。このメディアを始めようと思ったきっかけはどのようなことだったのでしょうか

当社自体に「みんなが幸せに生きられるようなコミュニティをつくろう」というのがありまして。コーポレートポリシーが「シゴトを楽しむ、人生を楽しむ」です。一般的な経営理念は、どちらかというと「外」に向いていると思います。〇〇を通じて社会に貢献するなど。でも当社は「内」に向いています。そもそも、内(=自社のスタッフ)を幸せにできないで、外を幸せにできないと思っています。自社のスタッフみんなが楽しめれば、いいサービス、プロダクトをつくれて、結果的に社会貢献に繋がっていくと思っています。

先ほどのようなコンセプトでやってきて周りの共感も得られるようになってきたので、もっとサービスとして外に提供しようと考えてオープンしたメディアがFledgeです。世の中、仕事を楽しめてないなと思う人もたくさんいますし、そういう世の中が変わったらいいなという思いで始めました。

世の中に「自分らしく働く」を広めるために

――「自分らしく働く」ことを広めるうえで、新田さんの想いをお聞かせください

いまは世の中の価値観が大きく変わっているフェーズだと思います。少子高齢化のなか、労働人口が劇的に減っており、企業が採用するのにすごく苦労する時代になっています。これまでよりもさらに、社員のことを考えていかないと採用力があがらないわけです。企業はもっと社員に寄り添う必要があるというか…。社員が搾取されているなって思うことがありますが、もう論外ですね。

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たとえば、新卒の給料ってだいたい21~22万と決まっていたりします。業界水準でしょうか。仮に50万のパフォーマンスを出せる人であったとしても、新卒というだけで(一律)その額からスタートさせられてしまうというのは、企業に搾取というか、コントロールされていると思います。9時から6時まで働かなければならないという点も管理ですよね。管理することで、個人の能力が抑えつけられちゃうし、抑えつけられると、やりがいが低下してしまいます。

――Fledgeをたちあげてから今までの間に、変わってきたなと感じるところはありますか?

Twitterなどでの反応をみると、意外にみんな気づき始めているのかなと感じています。こんな会社もある、増えているなどの気づきがもっと伝播していけば、世の中の変わるきっかけが生まれると思っています。

SELF TURN×Work Design Award受賞者表彰ポイントについて

――今回、アワードの「リモートワーク部門」の審査員を担当していただきました。地域でのリモートワークを推奨し、成果を上げている企業の取り組みを表彰することになりましたが、どのような観点で選ばれたのでしょうか

リモートというのは手段の一つなので、リモートしたから何かが生まれるわけではありません。現に賛否は分かれ、禁止している会社と推進している会社と両方あります。 企業というのは売上を伸ばしたいという考えを基本もっていると思いますが、結果が出ていないと意味がありません。リモートでやっていても結果が出なければやめるという選択が出てくると思います。

選出したところは、リモートをやりながら結果が出ています。結果が出てないと誰も真似したくないですよね。リモートワークが世の中に一般的になっているわけではないので、成功体験がある会社がないと広がらないと思っています。

――選出された会社ではどのくらいで結果が出たのでしょうか

事業部の売上を「3年で10倍にする」ことを目標に改善に着手し、1年半経過時点での売上が5倍に。約40%だった離職率も0%になったそうです。もちろんリモートワークの影響だけではないでしょうが。

当社も週3正社員というスタッフもおり、原則出社スタイルではありますが理由があればリモートワークを基本にすることもできます。全員集まる日が少ない分、会える時間を貴重なものとして扱えるようになっています。

リモートワークに対する思い

――リモートワークに向く人、向かない人についてどう考えますか?

人というよりは、組織がそういう環境を用意できているかどうかだと思います。オンラインツールを使いこなせなければ絶対的にうまくいかないでしょう。
リモートワークでは、情報格差が生まれない工夫をしないといけません。メールじゃなくてチャットじゃないと、タイムラグが発生してしまうので難しいような気がします。
たとえば、リアルの場で打ち合わせしている内容はリモートで働いている人は分からないので、チャットで流すようにしています。情報を共有する、オープンにするという意識が求められます。その仕組み、カルチャーをつくっていかないと無理でしょう。

――えふななではどのような工夫をされていますか?

当社での共有はチャットワーク(ビジネスチャットツール)を使っていますが、月1回リアルで社員が会う場をつくるなど、対面でのコミュニケーションも重視しています。

また、リモートの人はいつ作業を始めたかわからないので、「いつから始めます」と(チャット上で)宣言してもらうようにしています。そこからチャットでプライベートも含めた会話が生まれたりします。
実際に社内であった例なのですが、「明日在宅勤務でお願いします」とある社員からチャットがきて、そこから「どうしたんだ」「子どもがインフルエンザで」「大変だねえ」といった会話が生まれるわけです。こういう日常の些細なコミュニケーションを大事にしています。メールですとタイムラグも出ますし固くなりますので、チャットのほうがいいと思います。

父親が子どもの授業参観に行けない。そんなカルチャーを変えていきたい

――リモートワークへの新田さんの想いを教えてください

子どもの授業参観て、平日にあるところが多いですよね。実際に行くと分かるのですが、父親の授業参観参加率は2~3割です。でも、土日にやる運動会はほぼ100%の参加率。基本的に「子どもの行事に行きたいけど行けてない」ということなのだと思うのです。

これこそ企業にコントロールされているのではないかと。周りがそういう休み方をしている人がいないから、上司がやっていないからできないと考える人が多いのだと思います。それは、会社の風土の問題です。「父親が平日の子どもの授業参観に行くことは普通」「ぜひ行っておいでよ」という風土があれば、周りの目を気にする必要がなく自分を生きられるのではないでしょうか。

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――仮に、同日の同時刻に、仕事と子どもの予定がかぶってしまったとしたら?

それは助け合いでしょうね。Give and takeがあればうまくいくと思います。そのためにも、仕事を属人的にしないことが必要でしょうね。

――そのような社内風土・カルチャーを作っていくことは簡単ではないという声も聞きますが、どうなのでしょうか

みんな難しいと思い込んでいるのでは。難しいというよりは怖いのではないでしょうか。カルチャーを変えることに対し、成功体験がないわけで。ケーススタディとして世の中にあまりあがってきているわけではないですし。どちらかというと本気で変えようと向き合っていないのではないかと思います

イキイキ働くうえで必要な「自由と選択」

――今後、個人がイキイキ働くために必要なことはどのようなことだと思いますか?

個人的には自由度だと思います。昔と比べ価値観が多様化して、1つのルールだとまとまらないです。ルールがあるからイキイキ働けないと思っています。校則があると破りたくなる(笑)。ルールは一歩間違うと個性をなくしてしまうと思います。

ただ、自由には責任が伴います。ヒエラルキー型組織とホラクラシー型組織で比較してみます。
前者は管理された組織です。いわれたことをしっかりやるという責任が伴うわけです。一方で当社のようなホラクラシー型組織ですと指示命令がないですから、いわれたことをやる責任がないのです。ただ、自由の中で全体最適、全体で何が必要なのかということを見つけてやらなければならないという責任があります。

大切なのは、自由で、かつ選択できる余地があることだと思います。周りを気にせずもっと自分で選択していくということをしていければ、自分らしく楽しい、幸せというところにつながっていくのではと思います。
 

▼新田勢剛さんが登壇されるトークセッションはこちら
ガイアックス 菅大輔  ×  えふなな 新田勢剛 トークセッション 
2018年3月6日(火)19:00-19:50


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