社員の健康で企業を評価!厚生労働省が発表した『健康成績表』で私たちの未来はどう変わる?

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社員の健康で企業を評価!厚生労働省が発表した『健康成績表』で私たちの未来はどう変わる?
2018/04/15 (日) - 07:00
働き方メディア Fledge(フレッジ)

最近よく街で見かける自然派フードを扱うカフェ、オーガニックコスメ、24時間営業のフィットネス施設…。そう。日本は今、老若男女の垣根を超えた空前の健康ブーム。人々の健康に対する意識が高まった背景は、先行き不安な社会保障や年金問題、競争や責任に追われるストレス社会などさまざまです。

2018年度から実施される予定の『健康成績表』への取り組みは、国民の健康に対する意識を、企業や労働という側面からより一層深めるために打ち出された施策のひとつです。

果たして『健康成績表』は国民の健康を後押しする新たな一手となるのでしょうか?

健康成績表って一体何?

厚生労働省は、健康保険組合に加入している1,400の大企業を対象に、医療水準や健康状態を通知する仕組みづくりに取り組むことを発表しました。40~74歳を対象にした健診のデータを使い、食事や喫煙、運動といった生活習慣、血圧や中性脂肪、医療給付費、特定健診や保健指導の実施率などの項目について、全国平均と比較して点数を付けて通知します。

これによって出た結果をレーダーチャートのような図をつくることで他社と比較することができ、健康促進の明確な指針となります。今後、ランキング表による評価も想定しているそう。

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※画像は一例です。

また、厚生労働省は、健康保険組合で特定健診や保健指導の実施率が一定の基準を下回った場合に、高齢者医療への拠出金の負担を増やすといった「ペナルティー」についても、来年度から徐々に強化していく方針を決めています。

2018年度から大企業を中心に取り組みが始まり、段階的に中小企業への展開を進めていく予定です。

健康への意識の高まり

このような取り組みを進めることとなった背景には、国民の健康への意識の高まりがあります。

長時間労働やサービス残業といった生産性への問題視などで、社員の健康を配慮する企業が増えてきたと同時に、従業員の健康増進に積極的に取り組む企業への注目度が上がっています。そして、働き方改革の推進のためには、企業側だけでなく社員ひとりひとりが自身の健康について考える必要があるといえます。

先日、厚生労働省の調査の結果、国民の健康寿命*が前回(2013年の調査)よりも、男性は0.95歳、女性は0.58歳延びていると発表されました。この結果は国民の健康に対する意識の向上が実を結んだものかもしれません。

*平均寿命のうち、健康で活動的に暮らせる期間。WHO(世界保健機関)が提唱した指標で、平均寿命から、衰弱・病気・痴呆などによる介護期間を差し引いたもの。(コトバンクより)

深刻な医療費抑制の問題

実施のもう一つの理由として、医療費の抑制が必要とされている現状があります。
急速な高齢化とともに、介護などの医療費の社会保障額は年々増加し、財政を圧迫し続けてきました。
2016年度当初予算では、社会保障費が1990年の約3倍にも膨らんでおり、社会保障費が毎年1兆円規模で増加している中、社会保険料収入は横ばいで推移しています。そしてその多くは税金と借金で賄われていますが、少子高齢化は今後も進んでいくと見込まれるので、財政は一層深刻化することとなります。
年金での老後の医療費のやりくりはますます厳しくなると予想され、健康に長く働くことや生産性向上に対しての需要の高まりにつながっています。

実施によるメリットは?

取り組みを進めることによって予想されるメリットは、上で述べたように働き方改革の推進と医療費の削減の大きく2つ。その他にも“健康が企業のイメージをつくるひとつの指標となる”ということもあげられます。従業員の健康状態と生産性との相関関係を「見える化」することで、他社との違いや自社の強み・弱みが明確になり、これまで見えにくかった企業価値や労働環境への評価がしやすくなります。

また、この成績表の結果を採用活動に活かすこともできます。成績表は一般には公表されませんが、企業が自主的に発表することは可能なので、学生が就職活動で企業の労働環境を判断する際の材料にもなり得るでしょう。人材の確保へもつながれば経営者にとってもメリットは大きいはずです。

健康のために本当に必要なもの

健康成績表の取り組みにより、働き方改革がより一層進み、健康に働ける人材が増え、結果的に医療費の抑制にも貢献できます。しかし、これらがうまくいくかどうかは、成績表を受け取った企業や個人のその後の行動に委ねられています。
たとえ健康数値が低かったとしても、健康数値が低かった企業や人に対してのアドバイスや改善策をどのように行っていくかが鍵となっていきます。

また、出社できていても身体的・心理的な問題によって生産性が落ちる「プレゼンティイズム」が問題視される今、すべての健康問題が数値化されるのはむずかしいかもしれません。生産性向上の課題を解決するには、社員が心身ともに健康で働くためのサポートが必要といえるでしょう。

まとめ

健康成績表の取り組みによって、日頃からの健康管理がそのまま自分や会社の評価になる時代がやって来ました。このことによって、私たちが健康であることの意味を改めて問われていると感じます。

健康であることは人生を豊かにするためのひとつの手段です。健康を手に入れて何をしたいのかを考えたり、日々の生活の中に楽しさや目標を見出すことが自ずと心身の健康につながっていくのかもしれません。

『健康成績表』から得られるメリットを実現させるためにも、数値が良ければ安心…ということではなく、企業はこれをどう使うのか、個人は健康の一歩先にあるものに目を向けることができれば良いと思います。

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