マイナス6億円だった赤字企業をV字回復!ISAO発の革新制度、バリフラットモデルとは?─株式会社ISAO

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マイナス6億円だった赤字企業をV字回復!ISAO発の革新制度、バリフラットモデルとは?─株式会社ISAO
2018/05/13 (日) - 07:00
働き方メディア Fledge(フレッジ)
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中村 圭志(なかむら けいじ)

株式会社ISAO 代表取締役
1993年、千葉大学工学部卒業、同年4月に豊田通商株式会社入社。2004年3月、Toyota Tsusho Europe S.A. ドイツ・デュッセルドルフ支店へ出向。2006年4月、Toyota Tsusho ID Systems GmbH設立・代表就任。2010年10月、株式会社ISAO代表取締役に就任。

「たのしいをうみだしとどける!」をミッションに、億人を熱くするサービス実現をビジョンを掲げている株式会社ISAO(イサオ)。現在の代表取締役である中村さんがISAOに来た時、会社はなんとー6億円の赤字を抱えていました。そこからいかにして会社を変革し、V字回復へと牽引していったのでしょうか。

階層ゼロ・役職ゼロを実践し、会社をチームととらえる“Team ISAO”は、まさに働き方改革真っただ中の日本において、“新しい時代の価値観・働き方を実現する最先端の企業”と言っても過言ではありません。変革の核となったISAO発の「バリフラットモデル」を入口に、同社代表取締役である中村圭志さんにお話を伺いました。

階層0、役職0!余計なものをなくし、最適な形にしたら「バリフラット」になった

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——管理職0、階層0、チーム力∞(無限大)を目指した「バリフラットモデル」を取り入れられていますが、以前からそういった社風だったのですか?

中村圭志(以下、中村):いえ、以前は違ったんです。

僕自身ISAOに来たのが2010年で、逆に当時は普通の会社よりも階層がある会社でした。社長、取締役、その下に事業部が5〜6個あって、その事業部を各取締役がすべて干渉していたのですが、これはあまりに効率が悪いとなったんです。

そこで約2~3年かけて、ほぼ3~4階層くらいのフラットな組織にしていったのですが、縦割りがの部分がまだ少し残っていました。

——縦割りというと?

中村:一般的な会社でもよくあると思いますが、例えば、Aの部署の仕事でBの部署の人に少し手伝って貰えたらすごく助かる、という状況の時に売上はどこの部署につくのか、そこで発生した工数はどの部署につけるのか等、全然生産性とは関係ないところで、ややこしい問題が起きてくる。

そこで、もうそういう部署間の壁というのは溶かしてしまおうという考え方になったんですね。

またもう一つの理由として、ISAOはドメスティックな仕事が多いので海外に行ける機会があればどんどん出しているのですが、部長クラスの人が半年間海外に行く事もあるんです。

そうすると空いた部長枠が新任になり、半年後に海外から帰って来た元部長の居場所がなくなるという、これまたややこしい事態が起きる…。もちろん帰って来た元部長は実力のある人なので、別部署の仕事をしたら力を出せるけど、その部署にも部長がいる。これも全然生産性がない内向きの問題ですよね。だったらもう役職はいらないじゃないか、となったんです(笑)

余計なものはなくして、最適な形にしたら「バリフラット」になったという流れです。

——なるほど。すごく最適な形にしたら、結果的に「バリフラット」になったのですね。では改めて、バリフラットモデルとはどのような制度なんですか?

中村:まずバリフラットの“バリ”は、博多弁の“ばり(とても)”から取っているので意味から言うとスーパーフラットっていう意味なんですけど、簡単に言うと、階層0、役職0!(笑)

特に、みんなが同じ情報を持ってるということをすごく大事にしています。新入社員でもアルバイトでも、代表取締役である私も全員が同じ情報を持っている。ここが一番の特色かなと思います。社長と同じ情報を持っている事によるデメリットも、全くありません。
※「バリフラットモデル」は、商標登録されています。

個人個人全員がオープンでないといけない

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——社員全員が会社のトップと同じ情報を持っているなんてすごいですね!ただ情報量も莫大になると思いますが、どのように情報共有をされているのですか?

中村:我々ISAOが作っているGoalous(ゴーラス)というサービスがありまして、それが社内でコミュニケーションをするための、情報のプラットフォームになっているんです。

基本的には情報共有のグループがあって、そのグループ内に投稿してそれを見られる形になっているんですけど、社員全員が目標を作って、その目標を達成するためにはどういう事をしなければいけないのかを考え、活動する。その活動が全てオープンになっています。

目標を"ゴール"、その目標を達成するためにやらなければいけない事を"Key Result(キーリザルト)"と呼んでいるのですが、このキーリザルトを達成するために日々我々はアクション(活動)しているという立て付けになっています。

ISAOのコミュニケーションは、目標を立ててキーリザルトを掲げ、そこに対してどんどんアクションする。アクションはすべてオープンに共有する。

——なるほど。全員がすべての情報をオープンにするというのは、なかなか難しい所もあったのでは?

中村:そうですね。階層をなくすことよりも、抵抗が大きかったのは「すべての情報をオープンにする」ということです。確かに、誰でも自分の情報をすべてオープンにすることに対しては抵抗がありますよね。

情報をクローズにしておけば、自分だけのブラックボックスを確保し、あまり突っ込まれなくて済む。全部オープンにしたら、おまえ何やってるの?と突っ込まれる余地が生まれます。でも、そこをさらけ出せ!と(笑)

また、もともと役職上位の人たちは特に強い情報を持っていましたし、オープンに対する抵抗はものすごくありましたね。

情報のオープン化って、会社とか経営側がオープンにすると皆さん想像するかと思うのですが、ISAOのオープン化はそれだけではありません。会社の情報をオープンにすることは大前提で、個人個人全員がオープンでないといけない。ここが肝ですね。

——ISAOさんには“ミッション・ビジョン・スピリッツ”という掟がありますが、これはどのようなものなのですか?

MISSION 
たのしい!をうみだしとどける

VISION  
ニッポン発!億人を熱くするサービス実現

SPIRITS 
あたらしきに挑み拓く
じぶんの仕事を愛し誇る
オープンにつながる
見えないモノをみる
家族的キズナ

中村:これは僕がISAOに来た2010年に遡るのですが、当時会社は大赤字で組織的にも疲労している状態だったので、何を目指してやっていくかという核を作りたいと思いました。

当時の僕はITサービス業界は未経験でした。なので、事業のことは全くわからない。社員全員に一対一で面談をしたんですけど、皆かなりネガティブでした。今もたまに資料を読み返すと泣きたくなるような内容ですね(笑)

そんな中、一人だけ「いやいや、この会社すごくいい会社ですよ!やれますよ!」と前向きな事を言う人がいまして。

——その方が中心になって作られたんですか?

中村:はい、ビジョンはそういうISAOの未来に対してワクワクしている人を中心に作りたかった

彼が若いメンバーを中心に、会社の未来を考えるプレゼンを行って、今の事業分析や今後の展望の中でISAOはマーケットの中でやっていけるのか、闘っていけるのか、自分たちは何がしたいのか、という事を作ってまとめたのが「ミッション・ビジョン・スピリッツ」です。

そこから僕たちは、この掟と共に生きていくという事を決めて、今に至ります。

一人ひとりの成長をどうやって担保していくか

——素朴な質問なんですが、バリフラットになると、普通の組織に比べて弱くなりがちな所がありますよね。誰かが誰かの面倒を見なきゃいけないっていうのがなくなってしまうなど・・・

中村:そこで取り入れたのが「コーチ制度」です。

チームとしての力を発揮していくためには、一人ひとりの成長をどうやって担保していくか、そして、一人ひとりが成長していくことが重要なんですよね。それぞれの成長をどうやって担保していくかと考えた時に、一人ひとりがキャリアを考える機会を与えられるような仕組みが欲しいと思ったんです。

——そのコーチ制度とは?

中村:本人と話をしてキャリアの相談相手になるというのが、コーチの役割です。ISAOの社員には全員コーチがついています。コーチは必ずしも自分より年長者ではなく、自分で「この人に相談したい」という人を選べます。制度的には基本コーチは一人につき一人なのですが、誰と話してもいいので、実質的には何人もコーチがいる人もいます。

大事なのは、すべて本人の意思次第ということ。コーチに対して話し合いの場を設けるのも本人だし、コーチ側からは特にアクションはしません。

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——では中村さんご自身、バリフラットを取り入れたことで、会社はどう変わったと思われますか?

中村:全員が全員を見れるようになったという事、そしてフェアに機会が与えられるようになった事ですね。もちろん先程お話しした様に、生産性も上がっています。

また、チャンスを求めている人にとっては、チャンスが転がっている会社になりました。でも反対に、チャンスを取りにいかない人には向かない環境ですね

挑戦をリスペクトする文化に

——ISAOさんは「チャンス」や「挑戦」を大事にされているのですね。

中村:はい、チャレンジについてはこんな基準を掲げています。

薩摩の教え

1. 何かに挑戦し、成功した者
2. 何かに挑戦し、失敗した者
3. 自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
4. 何もしなかった者
5. 何もせず批判だけしている者

マーケットは進化していきます。特にIT業界は会社が止まっていたら死んでしまう。ですから挑戦しなきゃいけないというのは誰しもが分かっていて、挑戦というのが我々ISAOスピリッツの行動基準の中の一つに入っているのは、ごくナチュラルな話なんです。

——ただ、どの会社も新しいことに挑戦しようと言いますが、実際に挑戦しやすい環境かというと難しいですよね。

中村:まさにそうなんです。挑戦して失敗すると、昇格が遅れたりとかはよくある話なので、きちんと挑戦し、失敗しても大丈夫な環境を整えなきゃいけないという事はよく考えていました。

そこで、挑戦して失敗した方が偉いんだというのを言うために、この薩摩の出典を皆に説明しました。この「薩摩の教え」は多くのISAOのメンバーが共感してくれていますが、2番目に「挑戦し失敗した者」が評価されるというのが大事です。

現実的に多くの会社では挑戦し失敗した者は2番目にこないですからね。

——それでは、今後はどのようにしていきたいですか?

中村:さらに挑戦者をリスペクトする文化にしたいですね。

会社をこういう風に運営していくぞという意思は、人事評価に全て現れると思っています。挑戦するのが偉いんだとか言っていても、全然給料上がらなかったら皆分かりますよね、この会社、挑戦することを全然評価してないなと。

挑戦してガンガン失敗しているけど、どんどん評価されていったら、皆分かるんです。なので、この会社は本当にそういう風に人を評価する会社なんだ、というのを人事で示していく。これはとても大事な事です。

元々僕自身、挑戦して失敗した人がマイナス評価にならないようにというのは意識してきたのですが、徐々にISAOの文化になってきています。挑戦をリスペクトする文化にするーーそのためには、やはりぶれる事なくやり続ける事が重要だと感じています。

——ありがとうございました!

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