「SELF TURNプロジェクト」にかける想い - 株式会社日本人材機構 代表取締役社長 小城武彦 × NPO法人ETIC. 代表理事 宮城治男

小城氏×宮城氏-対談メイン
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「SELF TURNプロジェクト」にかける想い - 株式会社日本人材機構 代表取締役社長 小城武彦 × NPO法人ETIC. 代表理事 宮城治男
2017/03/22 (水) - 09:00
SELF TURN ONLINE 編集部

2017年3月22日発足した『SELF TURN プロジェクト』。本プロジェクトを推進する日本人材機構、ETIC、BIZREACH 3社がなぜこのプロジェクトを発足させたのか?第一弾は日本人材機構 代表取締役社長の小城武彦氏とETIC.代表理事の宮城治男氏に、本プロジェクトにかける想いや、目指すべき未来の姿について語ってもらいました。

—「SELF TURN(セルフターン)」という概念誕生の背景について

小城:私たちは地方創生の仕事を原点としており、これまでに多くの地方企業を訪問してきました。そこでは多くのオーナーが孤軍奮闘し、少子高齢化という社会の大きな構造変化の中でもがいています。経営幹部人材となる力が欲しいと願ってはいるものの、優秀な人材は来てくれない。そんな地域が抱える深刻な実態を、リアリティをもって知ることができたのです。

一方で、大都市にいるビジネスパーソンを対象に、弊社独自のアンケート調査(※)を実施しました。そこで驚くべき実態が明らかになったのです。一都三県在住・東京勤務の管理職の方に向けて『自分と同年代のうち、何割の人が力を発揮し活躍していますか?』と問いかけたところ、「1割」という答えが21%、「2割」が17%、「3割」が17%という結果に。つまり、7割くらいの人は力を発揮できていないのが現状なのです。さらにもう1つ興味深いデータがあって、「もしキャリアをやり直せるとしたら、転職を選択しましたか?」という質問に対して、56%もの人が「Yes」と答えたのです。つまり2人に1人以上が、今の会社に居続けない方が良かったと思っている。これほどもったいないことはありません。
資源も少なく、面積も狭い日本において、“人材”は唯一といっていいほどの “国の力”だと思っています。すなわち、これだけ多くの人材が力を発揮しきれていないということは、国家的損失に値するのではないかと、私は本気で思うのです。
この活かしきれていない貴重な力を少しでも地域に繋ぐことができたら、地域はもっと良くなる。なぜなら日本のGDPの6割を地方で稼いでいるにも関わらず、そこで人材が不足しているわけですから。
地方企業には、まだまだ事業改善のポテンシャルが山ほどあります。「大都市に眠っている人材の力を日本全体で活かすことができないか?」というのが、SELF TURNの発想の原点であり、私たちの一番の願いです。

また、国を挙げて『働き方改革』を推進していますが、長時間労働の是正など、どちらかというと企業視点が強い。もちろんそれも大事ですが、一方で、もっと個人に直接働きかけるようなメッセージが必要だと思ったのです。
そこで生まれたのが、SELF TURNという概念です。今の働き方が、本当に自分の人生観や職業観、価値観に合っているのか、どんな想いで高校、大学を卒業し、社会に出たのか、今ここでもう一度思い出して、本来の自分らしい働き方と向き合ってみませんか?と。だからこそ、UターンやIターンではなく、「SELF TURN」と言いたいのです。それにより、少しでも多くの人が己を見つめ直し、どんな場所であれ自分らしい働き方を実現できれば、この国はもっと良くなる。心からそう思うのです。
※2016年、2017年日本人材機構調査

—宮城氏が捉える、「SELF TURN」とは

宮城:私自身のルーツとリンクする部分があるので、ETIC.の成り立ちから順を追ってお話しさせていただきます。ETIC.は、1993年の大学在学中に、サークルのような形でスタートさせたのが発端でした。私は団塊ジュニア、ベビーブーマー世代の1972年生まれで、それはいわば、史上空前の自由や物質的豊かさが実現されたタイミングだったと思います。そういう世代に生まれ育った私たちの中では、単に出世して偉くなるとか、たくさんお金を稼ぐということは総体化されてしまっていて。高校生になった頃には「このままいい大学に入って、大企業に勤めて、多くのお金を稼いだ先に、自分のモチベーションや生き甲斐はあるのだろうか?」という疑問や不安みたいなものを、漠然と抱えていたのです。一方で、そういう生き甲斐や真の豊かさは、与えられるものではなく、自分たちの手でつくっていかなければ…ということを当時から思っていました。

大学在学中は自由に好き勝手やって輝いていた先輩が、やがて卒業し就職を経て、社会人としてサークルの部室などに帰ってくると、会社の愚痴ばかり言ってつまらなそうで。戦後の復興を遂げた理想であるべき社会の中で、一生懸命勉強して、努力して、結局得られるものが矮小化してしまっている。自分で自分の可能性を限定してしまうような生き方に、ものすごく違和感を感じました。そこで出会ったのが“起業家”という生き方だったのです。

これからの時代においては、自分自身の生き甲斐や働き方をつくっていく時代だ、と。起業家になる、ならないというよりは、起業家的な能動的なマインドを持って世の中を見ていくことで、生き方に自由を与えられると思ったのです。そこから、自分と同じように潜在的な疑問を持っている学生や若者に向けて、まずは何かを訴え発信すべく、イベントを重ねていきました。

決して起業家に限定するわけではなく、仮に企業の中で、あらためて自分のミッションを見つめ直す、でもいいのです。私としてはそんな起業家的な生き方とSELF TURNは同義だと考えてます。自らの原点を見つめ直し、本来あるはずの自由に気づくための起爆剤に、SELF TURNという概念はなりえるのだと思います。

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—本プロジェクトにおいて、両社互いに期待すること

小城:ETIC.さんは若い層に対して極めて強い発進力をお持ちだということ。また近年、地域への活動領域をかなり広げていらっしゃる。さらに、さまざまなイベントを展開されている運営力もお借りしたいですし、インターンをはじめ、週末には地方を訪問されたり、社会人向けのイベントも開催されるなど、プロジェクトを発信するにあたってのチャネルを多数お持ちなので、その力もぜひお借りしたいと思っています。

宮城:東日本大震災を機に、復興の最前線でチャレンジしている起業家やリーダーたちのもとに、経営人材となるべく東京のビジネスパーソンを送り込む、というプログラムを実施しています。
そこで地域の経営者の皆さんの考えや生き様に触れることで価値観が変わり、6割くらいの方がそのまま地域に転職したり、起業をしています。そういう方たちを見ていると、まだまだ潜在的に行動を起こす機会やチャンスを待っている人がたくさんいることを実感するのです。震災後、多くの人たちが、自分の人生や本当に大切なものは何かを考え、心に波立つものを感じながらも、具体的なアクションを起こせなかったのではないでしょうか。そんな今だからこそ、SELF TURNの概念を一緒に世の中に発信させていただくことで、大きなうねりが生まれるのではないかと思います。

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—本プロジェクトがつくる未来

小城:これまで、自身で事業再生の仕事をしてきた中で、業績が芳しくない企業の従業員の方々に対して「一度きりの人生、なんで今、この仕事をしているのですか?」と質問をしてみると、多くの人が口ごもるのです。若いときは“答え”があったはずなのに…。これは本当にもったいないことです。
私は、地方だけでなくこの国で働いている人たちが、自信をもって、『自分はなぜこの仕事をしているのか?』ということを堂々と言える社会になってほしいと切に願います。それはすなわち、自分の能力が発揮され、誰もが活躍している社会。そのとき、きっとこの国はもっと良くなっているはずです。

自分らしい生き方を叶えたビジネスパーソンが溢れる社会。それを実現するためのシンボルとして、「SELF TURN」を今、ここに掲げます。

宮城:UターンやIターンではなく、「SELF TURN」という新たな概念を発信すること。これは一見わかりにくく、これを打ち出すことは我々にとってもチャレンジだと思いますが、本質的であり、誰しもが潜在的に求めていたメッセージなのではないかと思います。

弊社のプログラムに参加してくださった方から、「自分の人生にスイッチが入った」という言葉をいただくことがあります。今まで自分の人生を生きていなかったような感覚の人が、初めて自分で意思決定しアクションを起こすことで、変化が生まれるわけです。
スイッチの場所は人それぞれで、組織の中でこそ活躍できる人もいれば、起業して駆け抜ける方が向いている人もいる。今回この「SELF TURN」という概念を発信することで、新たなアクションが生まれ、自分の人生の当事者となるようなスイッチを入れて頂けるとしたら、本当に素晴らしいことですし、そういう人を一人でも多く増やしていくことが、私たちの使命だと思っています。

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SELF TURN ONLINE 編集部

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