なりたいキャリアを目指すのに重要なのは仕事の価値観
渡部 幸
2017/03/23 (木) - 08:00

ビジネスパーソンの皆さんから筆者によくある相談が「漠然となりたいものがあるけれど、自分に合っているのかわからないし、果たして今の仕事からそこにキャリアを変えていくべきなのか」という悩みです。今回は、そんな決断の前におすすめしたい「仕事の価値観」を知る方法についてご紹介しましょう。

1.価値観はなぜ重要なのか

価値観とは、ある人が生まれ育ってきた環境・文化や受けてきた教育、親や周囲からの教えや指示、送ってきた生活、仕事、他の人との交流などにより形作られる「何を大事だと思うか」「何を重要視するか」という基準と言えます。また、項目によって「大事だ」と思う内容は違いますので、「仕事」なのか「家を買うこと」なのか、何に対しての価値観かを知ることが必要です。これは当然人によって全然違いますので、自分がこの仕事に合っているのか、進みたいと思っている仕事に変わるべきなのか、皆さんの行動を判断する重要なものさしとなるのです。

2.仕事の価値観を知る手法とは

では、どうやって「仕事の価値観」を知ればよいのでしょうか。ぜひ、紙と筆記用具を用意して、筆者の質問にあまり深く考えず、思いつくものをどんどん書いていってください。価値観というものは、みなさんの頭の中にある概念的なものなので、短い抽象的な言葉で言い表されることが多いようです。例えば、健康、人間関係、やりがい、安定、チャレンジ、場所…もっともっと多くのものがありますので、自由に出てきたものを書いてみましょう。

① あなたが仕事をする上で大事にしている価値観にはどんなものがありますか?思いつく限りいくつでも書いてみてください。少なくとも8個以上にしましょう。

② ①で出てきた価値観に大事なものから優先順位をつけるとどうなりますか?必ず1位から最後の順位まで、同点なしでつけましょう。

③ 自分で声に出してその順位を読んでみてください。例「1位やりがい 2位人の役に立つ 3位収入 4位思いやり 5位楽しさ…」順番に違和感があれば入れ替えてみましょう。今度はスッキリしましたか?違和感がないように順位を決めてください。

いかがでしたか?それがみなさんの仕事の上での価値観になります。普段そのようなことを意識して仕事をしているわけではないと思いますが、価値観はみなさんの無意識の中(つまり脳のある部分)に保存されており、時にみなさんの行動や感情の重要な要素となります。じっくり考えて答えを出すのではなく、パっと浮かんできたものをそのまま答えるほうがよいのは、「〇〇すべきだ」「〇〇しないといけない」と外部からの指示や依頼でみなさんの行動を左右する思考に影響されないよう、本来のみなさん自身が大事だと思っていることを認識するためです。

3.価値観を活用して次に進もう

さて、自分の仕事の価値観を知ったら今度は、どのようにそれを使っていけるのか、お伝えしたいと思います。まず、今の仕事を思い浮かべ、自分の価値観とマッチしているかどうか、比べてみましょう。特に2位3位までの優先順位が上のものは非常に大切で、その価値観に合わない仕事をしていると、何だか自分がとても居心地が悪いように感じるはずです。

例えばコールセンターの仕事をしているAさんは、今の仕事に対してなんだか違和感を持っていました。自分のやりたい英語を使う仕事をもっとするために留学しようか、でも今の年齢では間に合わないのではないか、あせりを感じていました。Aさんの価値観は1位成長 2位チャレンジ 3位目標達成 4位収入 5位人と接する 6位楽しさ 7位学び 8位人間関係 というものでしたが、今の仕事では、人と接すること、収入はマッチしますが、新しいことにその都度チャレンジし成長することよりも、安定して指示に従いしっかりと仕事をこなすことが求められているため、自分に合わないと感じていることがわかりました。

ここからは、もう一度自分に問いかけてみてください。「3年後、今の仕事をそのまま続けている1本の道を進んでいる自分と、大変かもしれないけれど、新しいキャリアに向かって勉強したり、転職したりしているもう1本の別の道を進んでいる自分、どちらを選びたいだろうか?」Aさんは「そうか、やっぱり」とはっと気づくものがあり、英語の勉強に力を入れてキャリアチェンジ、転職に向け準備を進めることにしました。

どのような道を選ぶのかは、みなさんが決めることですが、その決断に役立つ自分の仕事の価値観、一度探してみてはいかがでしょうか。

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