「本来の自分らしく、はたらく」の鍵はITによるプラットフォーム活用 - 株式会社日本人材機構 代表取締役社長 小城武彦×株式会社ビズリーチ 代表取締役社長 南壮一郎

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「本来の自分らしく、はたらく」の鍵はITによるプラットフォーム活用 - 株式会社日本人材機構 代表取締役社長 小城武彦×株式会社ビズリーチ 代表取締役社長 南壮一郎
2017/04/19 (水) - 08:00
SELF TURN ONLINE 編集部

「本来の自分らしく、はたらく」を掲げて発足した「SELF TURNプロジェクト」。このプロジェクトを共に推進する株式会社ビズリーチの南壮一郎氏と日本人材機構の小城武彦氏による対談が行われました。地方の活性化に向けて何ができるのか、インターネットを活用したプラットフォームの役割について議論しました。

個人と企業が変わらなければいけない時代になる

南:ビズリーチは、創業以来「インターネットの力で世の中の選択肢と可能性を広げていく」ことを、コーポレートミッションとして掲げてきました。創業事業の即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」は、管理職や専門職をはじめとした即戦力人材のマッチング・プラットフォームであり、企業と即戦力人材が直接、効率的につながることを促進してきました。
今回「SELF TURNプロジェクト」にパートナーとして参画させていただくことで、僕らの時代らしい日本の働き方を創っていきたいと考えています。弊社が考える我々の時代らしい働き方のキーワードとして「キャリアの多様性」があります。その中心には、自分のキャリアを会社頼みで構築していくのではなく、自己責任のもとに自ら重ねていくことが重要だと考えています。この考え方は、個人の視点としてではなく、会社側も、経営者も同じように考えていかなくてはならない社会の変化です。そのような大きな変化が起こっている中で、個人や企業、そして経営者が、自分らしい働き方を主体的に考えていくきっかけを創ることが「SELF TURNプロジェクト」の肝ではないかと勝手に考えています。

小城:東京で働いている、キャリアを積みたいと望んでいる層に、地方企業の情報がまだまだ届いていません。魅力ある事業内容を持った企業、成長可能性の高い企業がたくさんあることを知らないんです。それがきっちりと伝わると、人は動きます。そこにはやはりインターネットの力が必要で、ビズリーチさんのプラットフォームをぜひ活用したいと思っています。

南:ビズリーチでは2014年から「地方創生」を掲げ、専任で取り組む支援室を立ち上げました。省庁や自治体向けの採用支援を中心に行う中で、地方におけるわれわれの利用企業数は直近2年で2.2倍になりました。そして首都圏から地方への転職は直近2年で2.7倍です。やりがいさえあれば、地方転職を前向きに検討するという人はおよそ6割に達しています(※)。そのような新しいうねりが起こっている中、優秀な適材適所な人材を全国から採用できることを地方の経営者の方はほとんど知りません。同時に、地方で働く選択肢、働き方の可能性を知らないことも、個人にとってももったいないことです。まさに、この情報の溝を埋めることができるのが、インターネットの力だと思っています。
※ビズリーチ調べ。「地方」とは、一都三県を除く地方に本社を置く企業を指す。

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地方企業の成功例を見て、他の会社も奮起する──こんなムーブメントを起こしたい

小城:地方では、これまで縁故とハローワークでしか人材採用をしてこなかった会社が本当に多いんです。地方企業のオーナーに対して、人を採って何を目指すか、戦略は何か、志は何かと訊いてみると、「あれもしたい、これもしたい」と頭の中が整理できていないことが多い。整理ができれば採るべき人材像が見えてきて、「本当に首都圏から採れますか」という話になってきます。日本人材機構では、本気で事業戦略を見直し、首都圏からの採用を目指そうとするオーナーと組み、突き抜けた成功例を作ろうと思っています。他の企業がそれを見て、「あそこはなんで成功したんだろう、東京から人が来ているらしい、ならばうちでも……」というムーブメントを起こしていきたい。

南:まさに必然的に起こるべきムーブメントですね。小売業に例えると、eコマースが全国的に発展するまでは、多くの商売は、地方は地方の経済圏の中で、首都圏は首都圏の中で、という形でしか成立していませんでしたが、インターネットの力によって、誰しもが全国からモノを購入でき、全国の消費者に販売できるようになりました。それと同じように、我々は、ビズリーチが展開する「人材さがし」「仕事さがし」のプラットフォームを通じて、新しい成長を引き起こせる人材を探している地方企業と、さまざまな選択肢の中から自分らしい働き方を探している即戦力人材を効率的にマッチングさせることを推進してきました。

小城:ぜひビズリーチ的なデータベースやプラットフォームのバラエティを増やしていってほしいです。御社の強いインパクトによって地方の仕事に関心のある人が流入してくると、人はもっと仕事を探しやすくなってマッチング率も上がってきますから。

南:当社では、企業と優秀な人材が直接マッチングできるオンライン上のプラットホームを、地方企業や地方自治体などに提供するだけでなく、地方の企業に短期間就業体験ができる「大人のインターンシップ」や同地域の地方企業が首都圏で情報発信できるキャリアフェアなど、アナログな手法で、自らの事業活動や会社の魅力を広く伝えるサポートもしてきました。その中で、過去にうまくいった事例を、全国の地方企業や自治体に共有していくことで、世の中の選択肢と可能性を広げていきたいと考えています。

インターネットという高速道路を広げることで、地方で働くきっかけ作りをしたい

小城:我々2社はどちらも人材に関する事業を行っているので、時には「競合」と見なされることもあるんですよね。

南:地方企業の採用を促進、支援する日本人材機構。そして、即戦力人材をデータベース化して、全国の企業様にオープンな形でプラットホームを提供しているビズリーチ。両社は競合では一切なく、むしろパートナーであります。「SELF TURNプロジェクト」においてもその立ち位置は変わりなく、「ビズリーチ」をすでに利用いただいている約6000社の企業様同様、日本人材機構がサポートする地方企業の皆様にも即戦力人材とのマッチング・プラットホームをご利用いただきます。インターネット上でニーズを可視化して、自分たちにとって適材適所な人材がいることに気付かなかった企業、地方で働く選択肢の存在を知らなかった即戦力人材を効率的にマッチングするかことを、我々は本業としていますので、御社や地方企業は、今後も大事なお客様であり、パートナーでもあります。地方企業と全国の即戦力人材が交わるエコシステム創成が理想の姿であるのならば、今回の「SELF TURNプロジェクト」は象徴的な存在になると思います。

小城:当社もビズリーチのデータベースを利用して、クライアント企業の人事部の代わりに候補者のサーチや面談をし、最終的にクライアント企業に人材をご紹介するということを行っています。御社が提供しているような全国の企業と即戦力人材とのマッチング・プラットフォームがどんどん大きくなっていくことが、一番期待している部分です。地方企業と全国の即戦力人材が交わるエコシステムをどう創っていくか、どんなプレーヤーが何をするとエコシステムとなるのかを一生懸命考えているのですが、そこに不可欠なのが御社の力なんです。プロジェクトの原動力になっていただきたい。我々がタッグを組むからには、両社のシナジー効果をどのように出していくか、ですね。

南:御社は全国の企業と、全国の即戦力人材がお互いの存在を知り、効率的にコミュニケーションが行われることを明確な目的として持っています。この目的を道に例えてみると、これまで地方には、地元をつなぐ一般道路しかなく、移動は地域内で完結していました。我々が創ろうとしているのは、首都圏と地方のみならず、全国の全ての地域を高速道路でつなぎ、仕事と人材が効率的に流通される世界観です。ビズリーチでは、インターネットの力を活用して、この仕事と人材の高速道路を全国に広げることによって、全国に企業と個人の選択肢と可能性を広げていきたいと考えています。

小城:ぜひイベント等を一緒に開催していきたいですね。シナジーを創り出すことができるはずです。

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地方の活性化とは、僕らの時代らしい働き方を創っていくこと

南:地方へ来てもらうためには、そこでの働きがいがなければなりません。何よりも先にやることは、全国の地方企業や自治体が働きがいのある仕事を作ること。経営幹部のような即戦力人材は「地方」という場所だけに関心を持って転職することは少数で、「仕事のやりがい」を重視しています。これまでも、内閣府の推し進める「プロフェッショナル人材戦略事業」を通じて、約30道府県のサポートを行ってきました。当社は採用コンサルティングなどを通じて、企業がどんな人材が必要なのかを明確にしていくわけですが、ライフスタイルも含めやりがいを作り出せるかどうかを、自治体も含めた人たちで膝を付き合わせて話し合っているところです。

小城:仕事のやりがいをどれだけ訴求できるかは、企業のオーナー個人にかなり依存するのですが、「何とかしたい」と悩んでいるオーナーは実はたくさんいます。少子高齢化は止まることはありませんから、自社の体力があるうちに事業モデルを変えなければならない。彼らは地域や事業、自社の歴史を背負っているわけで、我々はそのような地方企業のオーナーに対して「あなたが本気になれば、首都圏から優秀な人材を採用できる」と、もっと事業をよくすることを訴えています。

南:東京は地方出身者の集合体だと思っています。ここで働いている人に、ピンポイントで興味を喚起するような発信をして、御社と一緒に、企業単位、地方単位で成功パターンを作っていきたいと考えています。そしてそれをすべての自治体・企業で共有できれば、労働生産性が変わります。自分たちのやり方に捕らわれて採用に成功していなかった、しいては生産性をあげられなかった日本の企業が、成功できるような仕組みが作れるのではないかと思っています。

小城:地方の企業が人材を受け入れるための準備は、戦略を見直す、組織体制を見直す、そして報酬をどうするか決める、ということです。特に報酬。オーナーであるから、自分の会社の稼ぎ方がすっきりと見えます。優秀な人が来ればこのくらい業績が上がるとわかれば、お金を出します。我々の今までの実績では、年収も役職も上がっている人が多いのです。意外なほど給料は下がりませんし、むしろ体感年収は上がっています。

南:採用にあたっては、自分たちの経営状況やビジネスモデルを把握し、それとセットでマーケット上にどういう人がいて何ができるか。利益を出していくためにはどう組み合わせていくかが、地方創生での企業側が解くべきいちばん大きなパズルではないかと思っています。
「SELF TURNプロジェクト」を通じて実現したいことは「僕たちの時代らしい働き方を創っていくこと」。地方での企業活動、企業の成長戦略を、企業や自治体とともにどう一緒に変えていけるのか、とても楽しみです。これが実現したとき、この先に日本の成長が見え、人と企業の労働生産性が上げられるような成長戦略が見えてくると思っています。

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