地域と都会で「二兎を追う」

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地域と都会で「二兎を追う」
2017/11/17 (金) - 08:00
協力:月刊事業構想 編集部

『SELF TURN(セルフターン)』とは、企業規模や場所に捉われず、
自分の生きがいという本質を探し、自分らしく働ける場を見つけ出すこと。
6回目は、長野と東京で2拠点生活を送る津田賀央さんのケースを紹介。

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「二兎を追うことができる時代になってきたと思います」。そう話すのは、Route Design合同会社代表社員の津田賀央さん(39)。1週間のうち、火曜から木曜は東京の大手電機メーカーで働き、金曜から月曜までは家族とともに移住した長野県富士見町で、起業家としてシェアオフィス運営や地域ビジネスに携わっている。

理想の働き方を求め、会社を説得

津田さんは新卒で入社した中堅広告会社でデジタルコミュニケーション企画を担当。10年後に世界的な電機メーカーに転職した。仕事は面白く待遇面も充実していたが、同時に物足りなさも感じていた。「大企業は意思決定が複雑で、空気感もゆったりしている。一方、私はどんどん新しいものを取り入れ、常にワクワクできる環境でなければ力が入らないタイプ。また、30歳を過ぎて仕事の利益だけでなく社会的意義を追求したいという想いも強くなっていました。自分の成長が鈍化している焦燥感がありましたね」 理想の働き方を模索し始めた津田さんは、リンダ・グラットンの著書『ワーク・シフト』に出会う。将来、テレワークによって働く場所に格差はなくなり、専門性を持った人々がプロジェクトごとにチームを組む時代が来る―。この予言に共感を覚えたという。
そんな時、たまたま家族旅行で八ヶ岳に訪れ、その自然と環境に感動。「こんな場所に住んでみたい」という家族からの言葉もあり、移住を検討し始めたところ、富士見町のテレワークタウン計画を知る。「せっかくの良い計画なのに、魅力を十分PRできていない」と感じた津田さんは、自ら企画をまとめて「富士見町に移住し計画に携わりたい」と町に提案。トントン拍子でシェアオフィスの企画からプロモーション、運営管理を任されることに。
ただ、電機メーカーの仕事を辞めたい訳ではなかったため、上司にダブルワークを提案。前例がなく最初は難色を示していた上司も、「こんな働き方が実現すれば、日本のメーカーは変わります」という津田さんの熱意に動かされて応援に回り、イレギュラーな形での勤務を継続することになった。2015年、2拠点生活がスタートする。

シェアオフィスをビジネスハブに

津田さんは移住に合わせ、富士見町で自身のプランニング会社Route Designを起業。電機メーカーとの関係性はこの4月から業務受託という形に変更し、週3日の出勤では新規事業開発などに関わっている。
運営を担う『富士見 森のオフィス』は会員が200人を超えるほどの人気で、入居者はエンジニアやクリエイターなど様々だ。地域の公民館的スペースとしても機能しており、地域企業と入居者やRoute Designが新商品開発などで協働する事例も生まれている。
「地域には面白い人が沢山います。そんな人達と直接繋がって、プロジェクトを自ら管理し、質が良く地域のためになるビジネスを生み出せるのは大きな魅力です」。しかし、スケールの大きな仕事が懐かしくならないのだろうか。「東京の企業の案件もありますし、富士見町でも海外と繋がるような仕事は十分できると思います。私自身、帰国子女で英語は喋れますし、八ヶ岳は別荘地として人気で外国人も多い。地域と海外を繋げることにも、富士見町でこれから取り組みたいですね」

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近隣農家からのおすそ分け

協力:月刊事業構想 編集部

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