複業という手段で、イキイキと働く大人を増やす ‐Work Design Lab代表理事/複業家 石川貴志氏

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複業という手段で、イキイキと働く大人を増やす ‐Work Design Lab代表理事/複業家 石川貴志氏
2018/02/14 (水) - 07:00
SELF TURN ONLINE 編集部

2018年2月23日から3月11日に東京ミッドタウン・デザインハブで開催される「地域×デザイン2018」において、SELF TURN実践者または地方で多様な働き方を推し進める企業を、「SELF TURN× Work Design Award」として表彰することが決まりました。その中で「デュアルワーク部門」の審査員として、「複業」を推進する企業の選出を期待し、一般社団法人WorkDesignLabの代表、石川貴志さんが選ばれました。石川さんご自身も、複業家として、「イキイキと働く大人で溢れる社会、そんな大人をみて、子どもが未来に夢を描ける社会を創りたい」をビジョンに掲げ、個人と組織のよりよい関係性を創造するため、個人のチャレンジ、組織の変革を応援する団体の活動を行っています。

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石川 貴志(いしかわ たかし)さん
一般社団法人Work Design Lab代表理事/複業家

1978年生まれ、三児の父。リクルートエージェント(現リクルートキャリア)の事業開発部門のマネージャーを経て現在、出版流通企業にて勤務。2012年より本業外の活動としてNPO・社会起業家に対して投資協働を行うソーシャルベンチャー・パートナーズ(SVP)東京のパートナーとしても活動。2013年にWork Design Labを設立し「働き方をリデザインする」をテーマにした対話の場づくりや、イントレプレナーコミュニティの運営、また企業や行政等と連携したプロジェクトを推進する。現在は、(公財)ひろしま産業振興機構の創業サポーターや、(独)中小機構が運営するTIP*S アンバサダーも務める。

活動開始~社団法人設立まで

――昔から、今のような活動に興味があったのですか?

いえ、私も20代の頃は、普通のサラリーマンでした。1社でがむしゃらに働いて、仕事中心の生活を送っているようなタイプでしたね。
転機は東日本大震災です。東日本大震災を機に、社会に何か貢献したいという気持ちが湧いてきました。探しているなかで偶然出会ったSVP Tokyo(ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京)という社会的事業への投資と協働を行う団体に参加します。2年間の活動のなかで、さまざまな団体の活動に触れ、自分のやりたいことも明確になっていきました。

――世の中に「自分らしくはたらく」を広げる活動ですね

はい。周りを見回したときに、イキイキとした大人が少ないと感じたんです。だったら、イキイキ働く大人の人を増やせばいいと思い、活動を開始しました。そして、2013年8月に自身主催の第1回イベントを開催します。といっても、最初は個人的な活動から始まりました。まずは、自分が素敵だと思う方をゲストにお呼びしたのですが、経営者の立場の方と、従業員の立場の方両方に来ていただくことを最初から決めていました。参加者の方も経営者や会社員が混じり、場の活性化につながりましたね。これが、今でも続いている、働き方と組織の未来を考えるダイアローグセッションです。

初回から60名を超える方に集まっていただき、盛況のうちに終わりました。最初からこれだけの方に集まっていただいたのは嬉しかったですし、関心の高さも確認できました。その後も、参加者の方の声を拾いながら、求められているものと自分のやりたいことをかけ合わせたさまざまなイベントを立ち上げていきました。

――現在では活動の領域が広がっていますね

現在では「働き方と組織の未来を考えるダイアローグセッション」「地方と都市を繋ぐプロジェクト(ローカル&グローバル)」「サラリーマン・イノベーターネットワーク」と大きな3つの柱となっています。それぞれに関心のある方々が集まり、毎回数十名~百名規模の一大イベントとなっています。

そして、最初のイベントから1年半後の2015年2月に、社団法人Work Design Lab(ワークデザインラボ)を設立することになります。活動が広がってきたことで、組織的に動く必要性があったことと、法人との連携が始まったことがきっかけでした。

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今回の受賞者の表彰ポイントについて

――今回のデュアルワーク部門の受賞者はどのように選ばれましたか?

今回選ばせていただいたのは企業なのですが、選定のポイントが3つあります。

1つ目は、1930年代創業の老舗の企業でありながら、発想力が新しいということ。複業に関しても、社内の人材に複業を推進するというよりも、外から複業人材を獲得しようとしている点です。週1でもいいので、外からその企業様に複業ワーカーとしてきていただく人材を探し、社内で活躍してもらおうと取り組んでいます。

2つ目は、地方の老舗企業として、取り組まれていることが、他の地方企業にも大きな刺激になると考えたからです。地方でも老舗企業でもできるのだというロールモデルになり得る企業だと思いました。

3つ目は、社長の想いです。会社として、組織だけでなく、地域や社会に目が向いていて、経営者が実際にその活動もされています。今後、人が集まる企業のカタチはかわっていくと思いますが、そのヒントがこの企業にはたくさんあると感じました。

――新しい人材を取り込むことでの、企業にとっての一番のメリットは何ですか?

今までになかった仕事のアイディアや進め方が社内に持ち込まれることだと思います。特に、大都市圏から地方の企業で働くことになる人材にはアイディアと業務の効率化が期待されていると感じています。今までのやり方ではなく、新しい考え方や仕事の進め方が刺激となり、既存社員の方に企業についての知識を補ってもらいながら、新規プロジェクトが活性化したり、他の社員の方の業務効率も上がったりなど、相互に関係しあうことで、事業の可能性が広がっていくと思います。

複業はやりたいことを実現するための手段

――最初から複業をしようと思って活動を始めたのでしょうか

私の場合は、やりたいことを始めた結果が複業でした。最初は、「イキイキ働いている大人を増やしたい」というシンプルな思いから活動が始まりました。

会社から怒られようが、この人イキイキしているな、という人いますよね? こういう大人になれるプロセスが分かれば、なれる人が増える。そこを抽出して伝えられたら、というのが始まり。最近、周りで、やりたいことが分からない、という話をよく聞きます。自分のことは自分ではよく分からない。でも、複業として試すことができたら、もっと多くの人がやりたいことを見つけてイキイキできるのではないかと考えています。だから、複業は手段だと思っているんです。

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――個人がイキイキ働くために必要なことはなんですか?

そうですね、個人の方がイキイキ働くには、私は「能力開発」と「興味開発」の両方が必要になると思っています。
「能力開発」はMBAのような、仕事上で生きるスキルや知識を身につけるもので、「興味開発」は、自分の興味や関心を見つけていくプロセスのことです。MBAのようなプログラムを学べるところは、大学院や民間のスクールなど、たくさんありますよね。ただ大人が興味開発を体系的に学べる場所ってないと思うんです。興味開発の難しいところは、アクションを起こさないと分からないということなので、まずは試してみることが大切だと思っています。

――試してみるというと、具体的にはどのようなことをするのですか?

たとえば、興味のあることが10個あったら、まずは全部やってみる。そして、徐々に本当に自分がやりたいことが絞られてくると思うんですよね。2つか3つに絞られたら、そこから深く掘り下げていくと、興味開発の段階が進んでいきます。興味開発のプロセスは、自分のあるべき姿を見つけるプロセスです。

多くの人が、自分のやりたいことが分からずに、なんとなく仕事をしてしまっているなか、複業という手段で、自分の興味を開発し、イキイキと働く大人が増えることが、ひいては社会全体の活性化にもつながると信じています。
 

▼石川貴志さんが登壇されるトークセッションはこちら
ウエダ本社 岡村社長  ×  Work Design Lab 石川貴志 トークセッション
2018年3月9日(金)19:00-19:50


そのほかのイベントスケジュールはこちら

SELF TURN ONLINE 編集部

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