あなたはどちら?独立起業向き・不向きを考える
浅賀 桃子
2017/03/22 (水) - 07:00

このまま今の会社にいても昇進は難しく正直先も見えてきた気がするので、早く脱サラしたいなあ、と考えている会社員の皆さまもいらっしゃるかもしれません。しかし、いざ脱サラして起業し会社を設立しても、設立3年経過後には約53%(73%×84%×87%)の生存率になるという統計データ(※)があります。つまり3年以内に半数が倒産・廃業となっていることになります。独立を考えている方へ、起業のメリットとデメリット、さらに独立起業に向いている人、向いていない人の特徴についてご紹介します。

独立起業のメリット・デメリット

まずは、代表的なメリットからみていきましょう。

・誰からも指示されずに自分の事業を行える
会社員の場合、自分が「○○したい」と思っても、会社の方向性と一致しなければ行うことは難しいでしょう。また逆に「こんな仕事はしたくない」と思っても、雇われている以上は会社からの業務指示に従う必要があるでしょう。しかし起業して自身が代表になれば、会社の方針はもちろん自由に決めることができますし、基本的に嫌な仕事を無理して行わなくても構いません。苦手な上司に振り回されたり、意図していない配置転換にあったりする心配もありません。筆者は2014年に株式会社を立ち上げましたが、やはり何事にも代えられない「自由」を得られた実感がありました。

・事業が発展すれば、その分自分の報酬につながる
会社員の場合、「インセンティブ」などで多少は自身の成果が報酬として支払われるケースはあれど、100%還元されることは稀です。しかし自分の会社であれば、自分の報酬をその分アップさせることは容易です。

しかし、もちろんメリットばかりではありません。以下でデメリットについてみていきましょう。

・全責任は自分自身が負う
何が起きても、全ての責任は自分で背負う覚悟が必要です。うまくいけば先述のメリットのように自分の報酬につなげることができますが、失敗することも当然あります。会社員の場合、成果が出なくとも給与は支払われますが、起業後全く稼げなかったとしたら自身への報酬は0になる可能性もあります。

・お金
筆者が会社を立ち上げた直後は、法人クレジットカードも作れず、パソコンや備品の購入などかなりの個人立替が必要になりました。これまで会社員の頃は当たり前のように請求書後払いで購入していたサービスも、実績がない会社の場合は前払を求められることもありました。また会社設立に必要な資本金に関しても、自分のキャッシュから負担する場合はどれだけ貯蓄があるかということも重要なポイントになります。

・自分の体が資本
会社員であれば、体調を壊して会社を休んでも「有給休暇」が使えましたし、誰かほかのスタッフが代わりに業務を行ってくれるかもしれません。しかし、起業してからは自分の代わりを務めてくれる人はいません。労働者ではありませんので有給休暇の概念もありません。筆者も講演の仕事をお請けした際は、風邪を引いて声が出なくなり仕事に穴を開けないようにと、特に直前は冷や冷やしながら過ごすことがあります。

・自分の体が資本
会社員であれば、体調を壊して会社を休んでも「有給休暇」が使えましたし、誰かほかのスタッフが代わりに業務を行ってくれるかもしれません。しかし、起業してからは自分の代わりを務めてくれる人はいません。労働者ではありませんので有給休暇の概念もありません。筆者も講演の仕事をお請けした際は、風邪を引いて声が出なくなり仕事に穴を開けないようにと、特に直前は冷や冷やしながら過ごすことがあります。

独立起業に向く人の特徴

独立起業に向くと考えられる主な特徴をご紹介します。

・会社の看板なしで通用する「スキル」がある
いくら大手有名企業で勤めた経験が豊富だったとしても、独立起業後は基本的に後ろ盾がなくなります。会社としての実績も0になります。あなたの売りにしたいスキルは、会社の看板がなくなっても通用する、労働市場が変動しても変わらずに必要とされるものなのかを、一度振り返ってみることをお勧めします。

・メンタルタフネスである
会社を経営するにあたってはさまざまなトラブルがつきものです。会社員でのトラブルは、自分ひとりで解決しなくてもよかったかもしれません。しかし、起業したからにはすべて自分で判断し、行動を起こさなければなりません。自身の判断が遅かったり、結果的に誤りだったりすることで、会社がつぶれるリスクも考えておく必要があるでしょう。メンタルタフネスでないと、押し寄せるトラブルに対処しきれない可能性があるでしょう。

独立起業に向かない人の特徴

次に、独立起業に向かないと考えられる主な特徴をご紹介します。

・人のせいにする人
会社員であれば、何かうまくいかなかったときの責任を自分以外のせいにすることもできたかもしれません。しかし、起業後はすべて自分が決断し、その結果が悪くても人のせいにはできません。

・柔軟性に欠ける人
5年前の常識が現在の非常識といわれることもあるほど、近年の労働市場は大きく動いています。世の中の動き、環境変化に速やかに対応できる柔軟性をもてず、自分の信念を曲げないようなケースは難しいでしょう。

いかがでしたか。独立起業には上記のように向き・不向きがあります。現時点で「独立起業不向き」の傾向にあるようでしたら、独立起業を急ぎすぎて失敗しないように精いっぱいの準備をするか、断念して会社員として活躍する道を選ぶかを考える必要があるでしょう。独立起業に向かないだけで、会社員としては能力を発揮できる人も一定数いらっしゃいますので、自分がどのタイプなのかを独立起業に踏み切る前にしっかり把握しておくことが大切です。

2006年版中小企業白書 経済産業省

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