採用難の時代、アルバイト・パート社員に活躍してもらうコツとは
渡部 幸
2017/12/20 (水) - 07:00

「売り手市場」といわれ、人手が不足している昨今。さまざまな業種でアルバイトやパート社員も採用しにくくなっています。そのため、採用できた人たちに、より生産性を上げてもらうことも重要です。今回は効果的にアルバイトやパートの人たちに長期で働いてもらうコツをご紹介しましょう。

採用広告で注意すべきこと

まず、そもそもの採用の際に注意すべきポイントです。なかなか人が応募してこないこともあり、ついつい募集広告に「〇〇するだけの簡単な仕事」「初めてでも丁寧に教えるので安心」のように、楽な仕事だ、簡単な仕事だということを前面に押し出す求人募集がありますが、実際の仕事がそうでない場合はそのような広告の出し方はしない、ということが重要です。

本当に簡単な仕事で、先輩がしっかり教えるシステムになっていて、初心者でも通常難なく仕事内容を覚えられる、という場合はもちろんOKです。しかし、そうではない場合、採用できてもすぐに辞めてしまう恐れが非常に高いのです。短期間でせっかく教えたのに辞めてしまった、となると、また採用や教育にコストや労力を使わねばなりません。後のことを考えたら、始めからそのような言葉では伝えないほうがよいでしょう。

むしろ、最近では、正直にその仕事のマイナス面も出してしまう広告も共感を呼んでいます。「覚えるのは大変な仕事かもしれません。でも達成しきった後の充実感は最高です」など、マイナス面もプラス面も合わせて伝えることをおすすめします。

勤務開始日のポイント

次に、働き始める初日のポイントです。必ずこの会社の方針や仕事のやりがい、仕事がお客様に与える影響など、大きな仕事の理念や方向性、目指していきたいことをその部署のトップや経営者からタテマエの言葉ではなく、気持ちを入れて伝えるとよいでしょう。お店の場合であれば、社長ではなくて、店長でよいですし、会社の事務所などであれば、その部や課の課長、リーダーの人でよいのです。5分位の短い時間で全く構いませんので、ぜひ伝えるようにしてみてください。

なぜ、直接仕事を教える先輩ではなく、トップの人がよいかというと、いくら現場のパートリーダーなどの人が志のある意識が高い人だったとしても、トップと現場の一貫性が見られないと、やはり人は辞めてしまいがちだからです。

逆に、非常に大きな会社の社長のビデオレターだけ、というのもしないほうがよいでしょう。そういったメッセージももちろん重要ですが、その方針と、直接の現場の長の思いや方針が合っていることを伝えることが大切なのです。

もちろん、アルバイトやパートの人のなかには「そんなことよりも、早く実際の仕事の話をしてほしい」と思う人はいますが、「そもそも自分の仕事は何のためにしているのか、どんなことに役立っているのか」という話が聞ける機会はそれほど多くありません。初日にその心構えや大切なことをまず頭に入れてもらうほうが「だから守秘義務は守らなくてはならない」「だから安易なSNSの投稿は禁止」などのようにルールを徹底する際にも納得してもらいやすくなります。いきなり「まず来たらこれをやって、次にこれをやって」と作業の話から入らないように注意するとよいでしょう。

アルバイト・パートでも育てるつもりで

次に大切なことは、辞めないように活用するためには「育てる」つもりで接することです。

教えて、できるようになったらほめる、できていない部分は指摘することが重要です。あなた自身がすべてを行う必要はありませんが、実際に新人を指導するバイトリーダーなどに対してこれをしっかり行うよう伝える必要があります。普段リーダーがどのように新人をほめたり、注意したりしているかをよく観察してフィードバックしましょう。ほめ方が上手くできていたらほめてあげ、実際の注意の仕方を一緒に考えてあげるとよいでしょう。あなたがリーダーについては、育てることが大切です。

また、新人には、入社から1カ月後、3カ月後、6カ月後のゴールを伝えて教えるとよいでしょう。もし、あなたの会社でしょっちゅうアルバイトやパートが辞めるようなら、この育成計画がない可能性があります。あらかじめ、マニュアルとしてつくっておけばバイトリーダーでも活用できるようになりますので、ぜひ試してみてください。

よりできるようになったら、少なくとも1年後には時給を少しでいいから上げることも検討しましょう。パート社員の場合、何年勤めても全く時給が上がらない、というのは退職を考える不満の一因となります。継続的に目標と話し合いをもち、できているところを認めてあげると続ける人は多くなり、口コミも広がっていきます。学生の場合、特に次の学年のアルバイトも雇いやすくなっていきます。

これだけ人材難の時代です。長期的な視点で、いまいる人材や、採用できた人材を活用していけるしくみをつくり、運用していくことが重要なポイントなのです。

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