地方にオンライン事業を広めたい 1人企業を応援する女子マネ事業

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地方にオンライン事業を広めたい 1人企業を応援する女子マネ事業
2018/03/15 (木) - 07:00
渡部 幸

佐賀県出身で株式会社女子マネ代表の中里桃子さんは、「自分がいた地方のような場所でこそオンラインを使った事業やコミュニティの活動を広げたい」という思いで起業しました。今回は、中里さんの活動の内容や今後の目標、夢などについてお話を伺いました。

コミュニティ活動は、自分らしく生きる場をつくってくれた

――もともと起業しようと学生時代から考えていたんですね?

はい。私は佐賀県出身で、父は県内で公務員として働いているのですが、「仕事が楽しくない」とよくいっているのを聞き、ショックを受けていました。また、私は昔から学校が嫌いでした。同じことを同じようにやらなければいけない、自分に期待されている役割、与えられた役割をする、ということが嫌だったんです。それで「自分はもっと、自分のやりたい、やりがいのある仕事がしたい」と学生時代から起業することを目標に、営業職に就きました。

――コミュニティの活動を広げたい、と思っているのはなぜなのですか?

20代は、会社員をしながら自分自身の職人スキルを高めたいと思って仕事をしていたのですが、コミュニティの世界で人生が変わりました。きっかけは、「六本木ビブリオバトル」という読書会の活動です。私がこのコミュニティを立ち上げて、メンバーを募って毎回1000円の会費をいただくという形で運営していましたが、コミュニティの活動で、初めて自分の役割を広げて、全体のリソースを活用したり、自分の意志で決定権をもって行動することができたのです。

それまでは、営業なら営業という自分の仕事の範疇を決めたり、私に目標や役割を与えたりするのはすべて私が所属している会社でした。私は何社か転職していますが、それは、大きな企業でも、ベンチャー企業でも同じでした。でも、自分がコミュニティ活動をするようになって「役割の試着」ができるようになり、自分の得意な分野も分かるようになったんです。

また、その読書会で、“変化する人”をたくさん見てきました。もともと、どうして読書会を始めようと思ったかというと、会社や自分の家庭ではない「第3の場所」で自分の思いを率直に伝える場所、自分らしく生きられる場所をつくりたかったからなんです。会社に勤めている人ってなかなか自分自身の意見や思いを伝えられる場所がないじゃないですか。自分が読んだ本の感想を発表する場って、リスクなく自分が好きなもの、いいと思っているものを紹介することができる場なんですよね。そういう意見をいうことによって、人が明るくなったり、「自分はこれからこんなことがやりたい!」と宣言したりする様子を見て、「こういう、人を応援するような仕事がしたい」と思うようになりました。

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事業として起業した理由は「応援したい」から

――そこから事業として起業したのはどうしてですか?

読書会は大きく発展して、イベントに120人、130人が参加するようになったのですが、読書会だとどうしても単発の支援になってしまって「やりたい」と宣言した人たちのその後がわからないんですね。その宣言をした人たちを応援できるスペースをつくりたいと思い、まず2014年に「恵比寿ヨコニワ」というイベントスペースを立ち上げました。まだ会社員をしながらの複業です。会費制で月2回イベントに使え、活動の準備や作業の場に使ってもいい、という場所をつくりました。

そして、2016年12月に株式会社女子マネを設立しました。読書会に来る人は1回1000円ぐらいのお金なので、それで人生変えよう、とまで大きな目標をもってはいなかったのですが、私は、もっと時間をかけて、自分の人生をかけてやりたいことをやろうとしている人をサポートしたい、他の人の人生を変えるような仕事としてやりたい、と思うようになって、ビジネスとしての起業を決意しました。

――これからどんな事業にしていきたいですか?

「光る原石をもっている人」「在野の人」「一隅を照らす人」を応援していきたいと思っています。カリスマ型の人ではないけれど、自分が世の中にこういう影響を与えたい、これを広めたいという強い思いがあって、スキルをもっているような人、また、不得意な分野もあり、まだ磨かれていないような人や、1人や2人で事業を行っているような人です。そういう人には自分のスキルを存分に使ってビジネスを広げていって欲しいのですが、得意分野ではない作業や処理に時間を取られている人が多いなと感じていますので、私ができる私の得意な役割でサポートしたいと思っています。

また、私が大切にしたいのは、一緒に仕事をする経営者や事業主の人とのつながりです。よく「女子マネ」という言葉から、事務代行のように思う人がいるのですが、「サポート」といっても自分を手足として使う、というのではなく、一緒に協力して事業の成功を目指していけるような人を支援したいと強く思っています。

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地方でもっとオンラインサロンやコミュニティを活用してほしい

――では、地方でもっとオンラインやコミュニティ活動を活用して欲しいのはどうしてですか?

私がいま行っている仕事は、オンラインサロンの立ち上げ方法を伝えたり、コミュニティのつくり方をサポートしたりすることです。事業として運用していきたい企業家の人たちも支援していますが、同時に一般の人がもっとオンラインサロンやコミュニティの場を活用できるようになって欲しいと思っています。

なぜかというと、佐賀のような地方では、なかなか自分の意見を安心していえる場所がなかったりするからです。ネットを使った、場所を選ばないオンラインサロンは、地方でこそもっと活用して欲しいと感じています。

また、地方でもコミュニティを活用し、そこで自分の力を発揮できるようなことがもっと広がったらよいと思っています。私も最初、コミュニティで自分の役割を見つけてもらい、初めて受け入れてもらえました。たとえば、子育て中のママで「自分には役立てることはない」と思っていた人が「人をつなげる」「人のいい所を見つける」とコミュニティの中で認めてもらえ、他の提案もできるようになっていくようになるなど、私が見てきた変化をもっと多くの人に起こしていって欲しいのです。

いま、私自身がサポートしていける人や団体の数には限りがあるので、多くの人のために「オンラインサロンやコミュニティの運営の仕方」の本を書いています。コミュニティって参加するだけで、いろんな「“役割の試着”が気軽にできる」、そんな場だと私は思っています。これからは、本も使ってもっと世の中に、全国にその活用方法を広めていきたいです。

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中里桃子
株式会社女子マネ 代表取締役

東京都在住・佐賀県唐津市出身。同志社大学を卒業後、広告会社の営業職として上京。数社にわたり新規事業の立ち上げを行い2016年に会社設立。新卒時より起業を目指していくつもの複業にトライする。2011年より複業としてマッサージサロンの立ち上げ、100名規模の読書会の主催、2014年より貸し会議室を経営。会議室経営の中でイベント開催にかかわった数は約500件、延べ3000人の集客と運営を支援した。1人社長や事業主が得意なことに集中できる環境を整える会社として2016年12月に株式会社女子マネを設立。創業から3カ月で7社の法人契約を獲得し、現在は10社、新規受付はストップ中。素晴らしいコンテンツをもつ著者やコンサルタントが、労働集約型で働いている状況を改善したいと思い、オンラインサロンの立ち上げとコミュニティ運営を支援している。ホームページ

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渡部 幸

キャリアコンサルタント
コーチ
アクトクリア代表

青山学院大学卒業後、営業統括、アパレル業人事マネージャーなどを経て独立。6000人以上の就職転職相談に携わり、4000人以上の学生のエントリーシート添削実績を持つ。キャリアデザイン、コミュニケーション力などのセミナーを多数開催。転職や離婚、不妊治療などの経験も糧に産業カウンセラー、NLPトレーナーとしてモチベーションを保ちながらやりたい仕事に就ける支援が強み。近著に電子書籍「辞めない転職・幸せな適職探しのための四つの秘訣」

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