いまリーダーに求められる価値創造型思考とは?

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いまリーダーに求められる価値創造型思考とは?
2018/05/08 (火) - 07:00
加藤 晶子

現代の社会には、ものがあふれ、大抵のものは手に入ります。物質的な欲求が満たされた現代において、企業は作り手・売り手主導のマーケティングから、買い手(顧客)主導のマーケティングへと舵を切ることが求められています。そこで、必要となるのが「価値創造型思考」です。いままでにない新しい価値をどのように生みだしていくのか、3つのポイントをお伝えします。

価値とはなにか?

そもそも価値とはなにかというと、価値とはお客さまが「買う理由」です。お客さまが商品を買う場合、そこには(たとえ無意識にでも)お客さまなりの「買う理由」があります。逆にいえば、買う理由の無い商品には価値がありません。この「買う理由」をいかに想像できるかが、「価値創造型思考」の鍵となります。

日本は長らく、お客さまの感じる価値に鈍感になっているのではないでしょうか。その典型的な例が、ガラケーや液晶テレビです。日本のメーカーは、携帯やテレビの機能をどう高度化していくかに気をとられ、より高機能のカメラを付けたり画素数を最大化した商品を投入しましたが、お客さまに受け入れられずガラパゴス状態になってしまったわけです。機能的に優れた商品が、お客さまにとって高い価値をもつ商品ではないということです。

それでは、お客さまの感じる価値をどう創造していくのかについて、3つの視点でお話します。

1.自分の身の回りに起こっている「負」を見逃さない

どんな人でも、人生のうちに何度も「この面倒くさい作業がもっとラクになったら…」「もっとここがよくなったら、便利なのに」など、不便な思いをしたことがあると思います。その「負」の感情こそが、これからの価値創造に欠かせない要素です。

たとえば、「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」などで有名な俺の株式会社を創業した坂本孝氏は、「高級なイメージのある料理を手ごろな値段で食べたい」というお客さまの中にある潜在的なニーズを見事にとらえ、大成功を果たしました。このように、すでに世の中にあるもののなかでも、お客さまが我慢している部分に着目できれば、大きなマーケットが生まれます。

また、自分以外の友人や家族との会話もきっかけになることがあります。料理や掃除などの家事のニーズから白物家電が生まれたように、今後も身近なところに潜在ニーズが潜んでいる可能性は充分にあります。毎日、意識するだけで、たくさんの「負」を感じる瞬間にであうはずですので、メモにためておくことをお勧めします。

2.自分と違った価値観の人との交流を通じて、新しい価値を体感する

自分の価値観だけではなく、人の価値観に触れるということも価値創造には大切なポイントです。人はとかく主観的に物事を見がちです。自分のかかわってきた業界とは異なる業界、職種、国籍など、さまざまな人とのかかわりによって、新しい価値観を発見できることもあります。日本で普通に過ごしていると想像もつかないようなサービスが外国には存在していることもあります。

FacebookなどのSNSサービスも、日本でmixiなどのブログや掲示板が流行していた時期に、匿名ではなく実名で登録するシステムをとりいれました。いままで、人が知りたいけど知る手段がなかった個人の日常を公開することで、つながりの価値を創造しました。

また一方で、価値観の違う人と接することで、自身では気づかない自分の価値に気づくこともあります。
私は人材業界出身者でキャリアコンサルタントでもあるので、多くの職種にふれていることから、たいていの仕事に関しては、少しうかがえば内容の想像がつきます。しかし、普通に会社員で働いている方からすると、そのこと自体に「価値」を感じてもらって、アドバイスがほしいといっていただくこともあるわけです。このように、自分では気づいていないことが価値になることもあります。

3.見えないものの価値を見える形にして提供する

冒頭で、「価値」とはお客さまの「買う理由」という話をしましたが、この「買う理由」を明確にするのが、見えないものの価値を見える形にするということです。

たとえば、人はストーリーに心を動かされます。ワインを例に挙げると、原価が安いワインでも、生産者の想いや原料のブドウへのこだわりなどのストーリーを加えることによって何百倍もの値段がつくこともあります。

また、いまでは当たり前となった個人間取引(CtoC)ビジネスの火付け役となったのが「メルカリ」というサービスです。誰もがもっている「自分にとって不要なもの」を売れるマーケットをアプリで提供することで、大ヒットしました。スマホの普及により手軽に写真を撮って商品の登録ができたことも後押しし、20代~30代の間で爆発的に広がりました。

このように、価値を見える形で表現することができ、お客さまの心を動かすことができれば、おのずと売れるものは生みだせるということです。

まとめ

いかがでしたでしょうか、「価値創造」というと、難しく聞こえるかもしれませんが、実はヒントはすべてみなさんの日常生活の延長線上にあるということがお分かりいただけたかと思います。ちょっとしたことから世の中のニーズをとらえることができるかどうかが、「価値創造型思考」のポイントです。いままでと同じ日常を違った角度で見てみると、新しい価値に気づくことができるはずです。

加藤晶子

加藤 晶子

国家資格キャリアコンサルタント

銀行・株式会社リクルートキャリアでの人事・営業経験を経て、2011年にキャリアカウンセラーとして独立。若年層のキャリア支援を強みとし、今までに3,000人以上の就職・転職支援実績を持つ。2015年からの2年間はNPO法人で就業。好きなこと・得意なこと・情熱をかけ合わせた、心から輝ける場所を見つけることが得意。現在は、主に20代~30代向けに、ライフワーク実現のためのワークショップ開催・個人カウンセリングを中心に活動している。

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